第1章 倫敦ガイド

そこが世界で最もエキサイティングな街であることに誰も異論は無いだろう。そこに集合する人の数といい、消費されている物資の量といい、それは確かに他の場所とは桁違いなのだ。しかし、知ってのとおり街は光り輝く面ばかりではない。人々の作る影に潜む犯罪者、貧困にあえぐ層もまた都市の真実なのだ。

総合インデックス
世界編インデックス
第1章 倫敦ガイド
現在の倫敦の状況
倫敦の位置とその気候
倫敦の大まかな区分
倫敦地域解説
倫敦事件簿
第2章 倫敦における生活
第3章 導引機械
第4章 仮想人格
第5章 創世神話機械
第6章 秘密結社目録
第7章 倫敦名士録

現在の倫敦の状況

現在、倫敦は有機的に絡まりあった複数の事件の舞台になっています。しかしこのことは一般市民には知らされていません。巨大な渦と化している事件のそれぞれは、それ自体危険を孕んでいます。まさに危ういバランスの上で日常は成立しているのです。

全てのプレイヤーキャラクター達は、これらの事件と無関係ではいられないでしょう。倫敦で起きる事件のかなりのものが、直接にしろ間接にしろ、それらの巨大な事件と関り合っているからです。

目に触れる小さな事件と関係しているうちに、プレイヤーキャラクターはより大きな事件に絡め取られていることに気付くでしょう。そして気付いた時にはもうその事件の当事者となっているに違いありません。

事件は以下のような背景を持っているかもしれない。

1.対吸血鬼抗争

この事件が現在倫敦の事件群の中で最大のものです。その他の事件は、結局はこの事件の副産物のようなものです。吸血鬼という人類を脅かす存在が市民に紛れていることが全ての事件の遠い原因になっているといっても過言ではないでしょう。

ヴァン・ヘルシング教授によるドラキュラ伯爵撃退は事実ですが、それで事件が完全に終わったと見るのは楽観的に過ぎるというものです。これはドラキュラ伯爵の手によるものと思われる『鮮血の城』と呼ばれる秘密結社の存在からも伺えます。

通称『銀腕』は、吸血鬼を殺害するための英国国教会によって組織された武闘集団である。彼等は『我々は彼等を眠らせる(We put them to sleep)』という標語を掲げている。

自らの半身をおとり、身代わり、影武者として倫敦に潜伏したドラキュラ伯爵。吸血性悪性新生物としてのヴァンパイア。群生吸血体。

2.人類進化計画(『ダーウィン的進化計画』)

対吸血鬼戦略の一環として、一部の狂信的科学者の間では、吸血鬼が存在する世界に適応した人類を作り上げる計画が進められています。これは人類の身体に進化論的、優生学的改良を施すというものです。無論これは極秘裏に行われています。この計画には多くの隠謀が見え隠れしています。いくつもの秘密結社、企業、研究所、何人もの科学者、研究者、学者などがこの計画に関っています。勿論計画を知っている人間もいれば全く知らないままにこの計画に加担している人間もいます。

3.歴史改編計画

歴史そのものを書き換え、改編を行うことで吸血鬼が「過去現在未来の歴史上に存在しないことにする」という目的で活動を行っている人々がいます。この計画には反対者、疑惑を持つ人間も多いのですが、この計画を推進している集団の行動は狂信的ともいえるもので首尾一貫しています。

倫敦の位置とその気候

地図や地球儀で倫敦を探してみましょう。ユーラシア大陸の西端に位置する島国が英国です。この英国の首都が『蒸気爆発野郎!』のゲームの舞台となる都市、『倫敦』です。

倫敦は北緯51度の、日本の北海道よりも北に位置する都市です。しかし、倫敦自体の気温は真冬でも平均4度程度と、東京の気温とほぼ変わりません。これは英国が典型的な海洋性気候であるためです。冬でも、メキシコ湾から来た暖流の影響で高い気温が維持されています。また冬でも多量の雨が降ります。一方で夏は涼しく、期間は短いと言えます。ゆえに冬の訪れは早く、11月にもなると、倫敦名物でもある霧が街を覆うようになります。また倫敦の天気は変わりやすく、一日で全ての天候に出会うことができるとも言われます。

コラム:倫敦の霧について

倫敦は霧の都としての名を世界中にとどろかせていす。もちろん半分は工場からの煤煙を原因とするスモッグです。冬になるとスモッグは特にひどくなり(何故なら石炭ストーブを使うからです)、マスクをかけて出歩く人も多くいます。霧自体も、山あいや湖沼地帯にかかる、白いものではなく、ほこりを多く含んだ黄色っぽいものです。

霧の出現する時期は冬で、街行く人々はフロックコートのえりを立て、急ぎ足で目的地へと向かうのです。

霧は犯罪者などが人々から姿を隠し、当局の目を逃れるのにも良い。

倫敦の大まかな区分

倫敦は世界最大の都市です。この大都市の地理を簡単に把握するためには、倫敦の東西南北と中央を把握することが肝要です。

倫敦の東には倫敦塔が、西にはハイドパークが、南には大きく蛇行するテムズ河が、そして北にはリージェントパークが配置されています。そしてほぼ中央にトラファルガースクェアが存在しています。このトラファルガースクェアからは、倫敦のほぼ主要な地域には、徒歩で1時間程度でたどり着くことができます。

何度も書いてるんだけど、倫敦は架空の都市ですよ〜。自分でも時々忘れるから困ったもんだけど。倫敦とはフィクションの都市であり、永遠の霧の都なのです。

倫敦地域解説

この解説では、倫敦の街を、その機能や性格からいくつかの地域に分割します。

  1. 倫敦中心部:倫敦の中心街と高級住宅地
  2. シティ周辺:世界の経済活動の中心地と下町
  3. ハイドパーク周辺:ハイドパークと閑静な住宅街
  4. ウェストミンスター周辺:政治と宗教の中心地
  5. 倫敦北西部:リージェントパークとモダンな新興住宅地
  6. 倫敦北部:博物館と知識人・学生達の街
  7. テムズ南岸部:テムズ南岸の下町と新興産業地帯
  8. イーストエンド:労働者階級の住む込み合った工業地域・スラム・港湾地域

この8地域について、以下の凡例に従って解説を行います。

<地域解説凡例>

■地域の分類コード
地域を性質によってコード化し、それぞれについての大まかな解説が行われています。
■この地域に含まれる地区名・ランドマーク
分類された地区に含まれる具体的な地名が挙げられています。
■この地域のキーキャラクター
この地域に関係する重要キャラクター達です。具体的な解説とデータは『第1部第7章 倫敦名士録』を参照して下さい。
■その他のキープレイス
この地域でプレイヤーキャラクターが自由に出入り出来るであろう実用的な施設です。具体的な解説は、解説本文内に挙げてあります。
■ランドマークの解説本文
様々な名所や施設、地名、街路などの解説が行われています。

概略図としては

 ┏━┳━┓
 ┃5┃6┃
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┃3┃1┃2┃8┃
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 ┃4┃7┃
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こんな感じです。

倫敦事件簿

倫敦には報道されるされないを問わず、数多くの事件が発生し、そして消えて行きます。ここではいくつかの事件を取り上げます。

代表的な事件をいくつか。

コラム:事件について

『事件』と報道とか。

殺害の砦レイヤー

『殺意持つ者』と犯罪結社。犯罪とその抑止をメインに置いたもの。

運命操作レイヤー

案のみ

キャラクターシートに年表とか必要?