蒸気爆発野郎!(ver.2002815) | ||
空が低い。 倫敦の上空を雲が覆い、その鼠色の塊はまだらに光を透過させている。冬の太陽の弱い光は、わずかに尖塔に降り注いではいるが、その恵みは下界には届いていない。人々は地の底で黄色く煤煙を含んだ重たい霧のローブのすそを引きずるようにして急ぎ足でこの街を右往左往している。 箱の中には金属の管。30年を経たそれは、未だに真鍮の黄金色の輝きを失っていない。幾何学的神秘を孕んだ、余りにもバロック的なその構成物。その中から響いてくる「声」は彼女のものだった。彼女――ラブレイス・オーガスタ・エイダ・バイロンの。 「螺子を巻いて……時が止まらないように」 彼女のその声は、30年を経ても経年劣化せず、彼女の最期の言葉を再現していた――。 |
蒸気爆発野郎!』の簡単な紹介 | |
『蒸気爆発野郎!』は、改編されたヴィクトリア朝倫敦(ロンドン)を舞台とした、オリジナルスチームパンクTRPGです。実際の歴史とは異なる、『編集され、改編された歴史』の世紀末で、キャラクター達は特殊な力を与えられ、様々な事件に対処していくことになります。 『蒸気!』は、19世紀末サイバーパンクとも捉えることの出来る世界観を扱っています。巨大な蒸気機関計算装置である『導引機械』、超高性能催眠術の応用技術たる『仮想人格』、四肢を金属に置き換えた『機械主義者』達。これらのガジェットは有機的に世界観を構築しています。 『蒸気!』の世界では、あらゆるフィクションもまた、現実のものとして再構築されます。シャーロック・ホームズ氏は今日も難解な事件に対してエネルギーを注いでいるでしょう。ジキル博士は夜な夜なハイド氏に成り代わり、ヴァン・ヘルシング教授はドラキュラ伯爵のまき散らした恐怖と悪徳と今も闘っています。 この倫敦に参加するための『蒸気!』のシステムは扱いやすく、かつダイナミックなものです。基本的なシステムは2D6上方向ロールですが、『蒸気!』に特徴的な『熱い魂』ロールが、『蒸気!』をスチームパンクTRPGとして成立させています。 さらに、プレイヤー間のコミュニケーションを円滑にし、セッションの展開を活発にする『呼び込み判定』という『蒸気!』オリジナルのルールが用意されています。 |
...古いread_me.txtを読む 付録の新聞記事を増強します。HTMLの修正は飽きたので数日放置します(02.8.23)
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